dialogue, human and harmony

対話や人間についての探究をしています

「聴覚」の可能性の探究①

 

以前あるコミュニティで、「ヒューマン・ラボ」なるものを開催した。そこで扱われた話をここでも共有しておく。以下が用いたレジュメであるが、「ワーク」までが事前に準備された資料であり、「ワーク」の後からはワークを体験した後の皆の感想のまとめである。

個人的には、「声の質」が自然と周囲に与えているインパクトが印象深かった。人によっては「包み込むような感じ」だったり、人によっては「どっしりしていて安心感がある」といった影響があったりする。今後ワークとして実践して見たいところである。

 

 1. 悟りとは、五感の解放である

現実をあるがままに体験するためには、思考を介さずに世界を感じることが必要である。そのため、「五感で感じること」を意識することで、あるがままの現実に近づくことが可能となる。インドのスピチュアルスクール「Oneness University」の創設者であるSri Bhagavanによると、悟りとは、こういった「マインド(思考)の介入なしにものごとを見ること、体験すること」による「五感の解放」によって実現される。今回は、「聴覚」を通して世界とつながるための知恵を紹介する。

悟りとは、五感の解放。
マインド(思考)の介入なしにものごとを見ること、体験すること。マインド(思考)がコントロールされず介入されている時、人は生きてない。
例えばご飯を食べている時、ほとんどの人はご飯を食べてない。
仕事のことを心配したり、あれこれ他のことをしている。
誰も「食べる」ことを体験してない。現実をあるがままに体験すること。
それが起こる時、私たちは無条件の愛と無条件の喜びを発見し、
私たちは全ての物、全ての人と繋がっている。
自分を切り離された個人とは感じない。
あなたがもうあなたのためだけに生きることはなくなる。
あなた自身が皆になる。
あなたは人類のために生きる。
- Sri Bhagavan

 

2. 「音」を通して世界を感じ取ってみる

・聴覚は耳から入る音(周波数の音波)が鼓膜に振動を与えて、脳に伝えられる。
・音波は、聴覚器官によって感知できる「音」を伝播する波動現象のことだそう。
・「音」というのは何かのエネルギーによってうまれている。
・そのため「音」を通してエネルギーを感知することができ、エネルギーの感知によってその発信者の状態を感知できる。
コーチングなどでは、言葉のみを脳で処理するのではなく、その言葉の裏にある感覚やエネルギーを、聴覚や視覚から感知する。

 

2.1 聴覚を解放するための方法

①耳を澄ます
・「澄ます」という言葉は、「液体のにごり・よごれなどの不純物を除いて透き通った状態にする」や「気持ちを落ち着かせて雑念のない状態にする」、「よけいなことを考えないで、その事一つに注意・意識を集中する」といったような意味がある。つまりは「耳を澄ます」とは、音だけに意識を向けて世界を感知することを意味する。
・音の数を数える

 

②音に浸る
・できるだけ「意味が確定している言葉」を使わない
・ここで大切なのはすぐに解釈や説明しようとせずに、言葉以前にある感覚を感じ切ることが大切。
・身体のどこらへんに響いているかを意識することで、その音の質感を知る。
・視覚をシャットアウト、目を閉じる

 

③質感を捉える
・質感を捉える言葉を探す。擬音語、擬態語、形容詞など、質感を表現する言葉の中から、しっくりくる言葉を見つけ出す。
・「音」のKJ法。似た質感の音と重ねる。

 

④解釈する
・人間行為の文脈に落とした時に、その質感が何を意味しているのかを考えてみる。

 

■■余談

「小音聞き(さおときき)…物音がしない静かな場所で、砥石の上に縫い針を落としてその小さな音を聞きわける訓練です。針を落とす役と聞きわける役の二人ひと組で行われました。これもまただんだんと自分と砥石の距離を離していき、遠くで発生する些細な物音でも聞き分けられるようにします。」http://ninjahouse.net/main/shugyo.html

 

「忍者は背後で落とした針の本数を言い当てる訓練「小音聞き」をしていました。現代の科学でも人は集中して音を聞くと脳の第一聴覚野の反応が10~20パーセント増加するという実験報告があります。この忍者の修行は注意を向けた情報を優先的に処理する訓練と言えるでしょう。」http://www.excite.co.jp/News/bit/E1467436901447.html?_p=3 

 

**ワーク:目をつぶって世界を眺めてみる**
・目をつぶる。
・3分くらい一人で耳を澄まして、音に浸る
・目をつぶったまま、みんなでいまどんな世界があるのかを対話する

 

2.2 聴覚が研ぎ澄まされている状態(ワーク後に生まれた話)

①形ではなく質感を捉えることができる
・視覚で世界を捉えようとすると、まず物質を認識しやすい。
・例えば勉強机にいれば、目の前にあるパソコン、本棚、ベッド、ケータイ、自分の手などといった物質が目に入る。
・実際人間は「視覚」から得ている情報量は87%とも言われている。
・しかし、そんな「視覚」を制限してみるとどうだろうか。
・「聴覚」をもとに世界を感じ取ろうとすると、人の存在が抽象的な何かに感じられてくる。
・形ある存在というよりも、特有の存在感やエネルギーをもった何かに感じられる。
・物理的には近くにいるのに、なんとなく存在が遠くに感じられたり、同じ平面状にいるのに斜め右上にいるようなに感じられる。
・そのため形ある(目に見えやすい)何かではなく、その形ある何かが含んでいる質感を感じたい時は聴覚を使うと良いかもしれない。

②世界を立体的に捉えることができる
・視覚で世界を捉える時よりも、360度ある世界として空間を捉えることができる。
・「南西や北からは何も感じない」「下からは何も感じない」「東からみずみずしい鳴き声と機械的な重い音が聞こえる」など、自分を取り巻く世界を立体的に捉えることができる。
・「目に見えない人は世界をどう見ているのか」ではこのように述べられている。

「見える人は三次元のものを二次元化してとらえ、見えない人は三次元のままとらえている。つまり前者は平面的なイメージとして、後者は空間の中でとらえている」 

 

 

■■余談■■ 

「事実、禅の道場には『臘八大接心(ろうはつおおせっしん)』といって毎年十二月のほぼ一週間をぶっつづけの坐禅三昧に過ごす修行がありますが、これを続けるうちには驚くほど五感が研ぎ澄まされ、針の落ちるほどの音が大音響に感じられることさえ少なくありません」

 

やさしい禅の教科書 (PHP文庫)

やさしい禅の教科書 (PHP文庫)

 

3. 聴覚に関するさらなる可能性(今後の探究テーマ)

・デフォルトボイスなるもの。自分の声質はどういった影響を周囲に与えるのか?
・音の質によって身体への響き方が違う?(音の高さと響く体の部分の高さの関連)
・聴覚で捉えられる情報量を増やすワーク
・声の出し方の深さ